結局さりげなくどころか、ものすごくダイレクトに聞いてしまった。


「欲しいもの…ですか」

「うん、何!?」

「うーん…そうですね…強いて言うなら、弟が欲しかったです!!」

「…は?」

「3歳くらい年下の弟が!それなら僕が卒業してから弟が入学するので、制服も譲れるし、家計も助かりますよね!!」


…さすがに弟は無理だよ。どんな大金はたいてもクリスマスプレゼントには用意できないよ。

はぁ、とため息をついて肩落とすあたしに、カボは不思議そうに首を傾げる。


…というかカボは、ちゃんとクリスマスをあたしと過ごそうと思ってくれているのだろうか。

カボは思いもしないところが抜けているから。いまだにサンタさん信じてます!って言い出しても、カボなら大いにあり得ると思う。


マックから見える街並みはすっかりクリスマス一色。

ツリーやリースがチカチカ輝き、いつもよりずっと浮き足立っていた。
















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