ダルターニの長い一日

再びエルミラーラが飛びついてきても面倒なので、一応、約束だけは残して――。



「エルの誕生日には、好きなだけ弾いてやるから」

「お兄たま、本当~?!」

「良かったですね、姫様。王子様は約束だけはしっかり守る方ですもの。お誕生日の日が待ち遠しいわね」



ハーリーとエルミラーラ、そしてアンナ。三人だけのディナー。



「エルミラーラ、野菜スープをちゃんと飲みなさい!」



ハーリーは、自分の好きなものだけ食べ終え、食事を終えようとしていたエルミラーラを叱りつけた。



「いや! エル、野菜スープ嫌い!」

「だめだよ、もうすぐで五つになるんだから。僕だって五つの時からちゃんと野菜スープが飲めるようになったんだから」

「いやいや!苦いのいやぁ~!」

「ああ、アンナ、アンナも何とか言ってやってよ」



ハーリーは半分飽きれていた。しかし自分も以前はこうだったと思うと、なんか、情けない思いがした。



「そうね、・・・・・お久しぶりに国王陛下が一緒にお食事をされても、姫様がお食事を残されたら、がっかりしてしまうわよ」


アンナがエルミラーラにそういうと、エルミラーラは、パァッと表情を明るくして「お父たま、一緒にお食事できるの?」と喜んでいた。

「もしかしたら・・・・・ね。だって、年にたった一度のおめでたい日ですもの。ねぇ、王子」

「え?あ、ああ・・・、そうかな?」

(そんな事ない!父上は、僕たちに嘘をついて、“あの娘”の処に行ってしまうんだ)