ダルターニの長い一日

確かに僕は、あのマントを貰った時、本当に嬉しかった。誰から貰ったとか、関係なく、マントを身につける事で、立派な王子になれた気がして、大人になれた気がして、シュレイツは何時でも僕を一人前の王子として扱ってくれていた。そして、僕の事を一番に理解してくれていた。だから、僕が何を貰ったら一番喜ぶのか、解ってくれていたんだ。

僕は、シュレイツがいたから、この広いお城の中で寂しさを抱くことなく暮らしていられたんだ。幼心でも、その時はそう思えた。そうしたら急にいたたまれなくなって、すぐにでもシュレイツに会いたくなって・・・・・、城中を走り回って探した)


『シュレイツ~!シュレイツ!』



(あの時、シュレイツは、“秘密の場所”で本を読んでいた)



『シュレイツ!』

『王子!』

『シュレイツ、御免なさい、僕・・・・・、僕・・・・・うわ~ん!!』

『いいのですよ、嘘をついてしまったわたくしが全て悪かったのです。王子、申し訳ありませんでした』

『シュレイツは悪くないも~ん』


(その時の事を思い出すと、僕は涙の収集が付かなくて、取り合えず今はシュレイツの胸で泣く事だけに専念したかった。

シュレイツがいた時は、よく泣いて、シュレイツに甘えてばかりいた。でも、シュレイツがいなくなって、もう半年以上、泣いた事がなかったのに気付いた。