「リクー!リクー?」

「あー、ソラ。リクなら俺の部屋にいると思う」

「え、何、もしかして連れ込んで…!」

「んなわけあるか、まあ正確には俺の部屋の前だから」

「ふーん、わかった」


あの双子、ホントに仲いいよな

ていうかリクついて来てなかったのか


「なあ、レイ」

「ん?どうした」

「いや…お前、変わった?」

「あ?何?」

「睨むなよ」

「睨んでねぇ」

「なんでそんな否定すんだよ」

「べつに、否定してるつもりはねぇよ。でも変わったつもりはない」

「そうか?なーんか違和感あるんだよな」

「コウタまで言うのかよ。さっきリクにも言われた」

「そんだけお前が変わったってことだよ」

「だから……。はぁ」


反抗するのもめんどくさい


「怜くーん空くーん陸くーん晃太くーん!着替え終わったー?」

「お母さん!急かさないの!」

「えー」

「えーじゃなくて!はい、リビング戻る。みんなー着替えてからでいいからね!」


…リョウも大変そうだな


「行くか」

「だな。リョウもなんか早く来てほしいみないな言いかただったし」

「スカートそんなに嫌なんだな」

「まあ、いつも学ランだったし仕方ねぇよ」

「俺達と同じな」


周りに女なんか居なくて

見た目も男みたいで

寮にも男だけ

そんなとこに娘を一人にしとくなんて…

本当に大事にしてるのか?


でも…娘の為に何かをしたり

家に帰ってきて話したり

はしゃいだりする


どうにも、俺には理解できない

これが“普通”なのか?


…少なくとも

リョウは愛されてるんだな




俺よりも