「お母さーん。スカート…」


「ダメ」


即答か


「まだ何も言ってない」


「ダメ」


「だから…」


「ダメなもんはダメなの!!」


「何それ…」


だめだ…この頑固者…

何言っても聞きやしない


「じゃあ、おれこの制服着ないから」


「それは絶対ダメ!」


「知らない。おれはおれの好きな格好するだけだもん」


学ランのほうが着やすいし

楽でいい


「じゃあ何のために制服作ったのよ!」


「そんなこと言われても…お母さんの趣味じゃないの?」


「………あ、えっと…」


図星か

残念ながらおれは母親の期待に応えられそうにない


「ということで着ないから」


「待って!!」


「…何?」


「じゅ…18cm!」


「は…?」


「膝上18cmならどう!?」


「あんまり変わってない」


「だってー…。それにスカート作り直すのも嫌なんだもん…」


「じゃあ最初から丈長いの作りなよ…調節利くんだから」


「うぅ…はぁい…」


「じゃあ、丈は自分で調節するから」


「うっ…じゃあ!じゃあせめて写真撮らせて!」


「は…?写真?」


「うん!写真撮ったらもう膝上20cmにしなくていいから!ね!」


「……わ、わかった…」


気迫に負けた…