「本当にごめん…」


「いや…うん…」


「リョウのせいじゃないし…」


「あれは衝撃だったな」


「衝撃っつーか…、精神的ダメージ?」


うちの親は人目を気にしない

そこが良いんだか、悪いんだか

おれ的にはとっても悪い

周りのみんなは心臓に悪い


「あ、そうそう。お土産持って来たの。みんなで食べてね」


ウィンクってお母さん…


「「「「ありがとうございまーす」」」」


「あ、灰斗くんいないのね。どこか出掛けてるの?」


「はい、さっき出掛けていきました」


「場所は…ってオバサンが口出すことじゃないか。灰斗くんに後でお土産渡しておいてね」


「お母さん達どこか行くの?」


「ちょっと学校に。そのあと家に帰る」


「え!?寮は!?」


「涼に任せるわー」


帰ってきても結局おれか


「そうそう制服!!サイズは大丈夫だと思うんだけど…」


ガサガサと鞄を漁る


「あ、これこれ」


「え゙っ…!?」


「あれ?可愛くない?それとも涼はブレザーのほうがよかった?」


「うん、確かに可愛いよ。セーラーでもいいよ」


じゃあ何が嫌なの?と首を傾げる

可愛いしセーラーでもいいけど…

でも…でも…


「ミニスカは嫌!」


「それは譲れないわ!」


即答とか…、ありえない…

制服は白と赤を基調としたセーラーで

襟とスカートとリボンは赤のチェック

襟に白い線が一本

それ以外は白で

左胸に校章


「じゃあせめてリボンじゃなくてネクタイにして!」


「それも嫌!」


「じゃあスカート丈変えろ!」


「それは絶対嫌!!」


「膝上20センチとかふざけてんの!?」


「ふざけてない!涼なら似合う!!」


「似合う似合わないの問題じゃない!着れるか着れないかの問題なの!」


「着れる!」


「ムリ!」


「まあまあ、落ち着きなよ。鈴、スズ」


お父さんが割って入る


「まず一回着てみたらいいじゃん」


「そうよ!着てみてよ!」


「……一回だけね」


そう言うと母親の顔が一気に明るくなった

…お母さんのバカ