「こういう力仕事のとき頼りになる男っていいわよねー」


父親が体育座りをしてボソボソ言っている

なんて惨め…


「涼はこういうとき頼りになる男と結婚しなさいね」


…つまり

この父親の様に頼りにならない男とは結婚するなということか


「鈴酷いよー」


隠そうともせずに子供の様に泣き始めた父親


お前今年でいくつだ


「うふふふ」


喜んでる

この母親喜んでるよ!


「お母さん…、みんな引いてる」


レイ達がおれ達(正確には父親と母親)から1メートル近く離れている


「あらやだー。ごめんなさい」


「ほんとだよ、まったく…」


「旭(アサヒ)さんに言ったわけじゃないのよ?」


…おれのことじゃなかったのかよ


「ほんとかい?鈴…」


「当たり前じゃないのよ。旭さんは誰よりも男前よ」


「でも僕、力仕事とか足手まといになるだけだし…」


「力仕事がすべてじゃないでしょ!?私は旭さんが頼りになって男前だから旭さんとを好きになったのよ?」


「鈴…。結婚してくれてありがとう」


「ううん。こっちこそ、ありがとう」


「鈴…」


「旭さん…」


二人が顔を近付け…


「ちょっと待てー!!場所を考えろー!!」


キスする寸前で止まる


「もう、何よ」


「何よじゃないよね!?周りを見ようよ!レイもコウタもソラもリクもいるんだよ!?」


「「……だから?」」


「だから…、人前でキスとかしようとするなって言ってんの!!」


「いいじゃない、別に」


「良くない、良くないんだよ。お母さん」


「愛は勝つ!!」


「何に!?てか誰に!?」


お母さんはそれに答えることなく

お父さんの方に向き直り


「旭さーん」


「りーん」



女子高校生1人、男子高校生4人の目の前で長く深い、いわゆるディープキスをした




厄介な人達が帰ってきてしまった…