まさかお父さんだったなんて…


「理事長、チャイム鳴らしすぎです」


「だってー、学校休みのはずなのに誰も出ないんだもん。居留守つかってるんだと思ってー」


「だもんとか遣わないで、みっともない」


「ごめんなさい…」


「まったく…お母さんは?いないの?」


「もうすぐ来るよー。僕は一人で夕クシーに乗ってきたから早かっただけ。鈴(リン)は荷物全部持つて車で来るはずだよー」


ニコニコと出したお茶をすする

本当にダメダメな父親だな…


「理事長…普通逆なんじゃ…」


「ヘ?何が?」


これだからお父さんは…


「お父さんはお土産だけ持って帰ってきたの?」


「うん。そうだよ」


「はぁ…」


相変わらずというか…

成長してないというか…

この父親はほんとに…


「あ。そういえぱ、スズの制服できたんだよ」


「いまさら!?」


「うん。とーっても可愛いいやつ」


「それはそれで恥ずかしいな…」


決めたのはお母さんだと思うけど…

ピンポーン


「ただいまー。涼いるー?」


「あ、お母さん」


玄関に向かう


「荷物多くて…。怜くん達に手伝ってもらえないかな?」


「あー。全然いいと思う」


ちょっと待ってて、とお母さんに言ってリビングに戻る


「どうした?」


「あ、レイ。荷物多いから運ぶの手伝って欲しいってお母さんが」


「おー。わかった」


「コウタ達も手伝って」


「了解」


「「いーよー」」


「あ、お父さんはそのままお茶飲んでて」


「なんで!?」


「邪魔だからって言わなきゃわかんないの?」


「分かってました。ごめんなさい」


お母さんはなんでお父さんなんかを好きになったんだろう…