「「リョウおはよー」」


「おはよう、リョウ」


「ソラ、リク、コウタおはよぉ」


俺に気付かないまま

リョウが洗面所に向かう


「なんか起きたら自分の部屋だったんだけど。おれ、いつの間に戻ってた…?」


シャカシャカと歯を磨きながら

独り言のような質問のような疑問を言う


「あー、朝レイが運んだんだよ」


「レイが!?」


歯磨きが終わったのか

洗面所からリビングに戻ってきた


「後でお礼言わなきゃなー。てかそれより…」


ブツブツと独り言を言っているリョウ


「リョウー?」


「何?」


「レイならいるよー?」


「え?」


俺と目が合う


「おはよ…」


俺が声をかけると


「レイ元気!?大丈夫!?熱は!?」


「大丈夫だから!落ち着け!」


リョウは心配性だな…


「ふぅ…。とりあえず、ありがとう。レイ」


ニッコリと微笑む


「別に…てゆーか、俺の方こそ……ごめん…」


「気にしてないよ」


リョウは笑顔のままで俺の頭を撫でた


「なんで撫でるんだよ」


「レイ、猫みたいで可愛い」


「はあ!?何だよ可愛いって!」


「そのままの意味」


それでも笑顔で俺の頭を撫でるリョウを

俺は真っ直ぐに見れなかった





…心臓の音が速いのは…まだ熱があるからか…?