「荒れてんなぁ…」


「悪いな」


「いや、うん…」


コウタに八つ当たりしない…

八つ当たりはしない

八つ当たりはしない

人に当たらない…


「レイから黒いオーラが出てるんだけど、気のせいかな?」


「ううん、僕にも見える」


双子が遠くから俺の様子を窺っている

暴れるな、俺

でもきっと目付きは悪くなってる

それは仕方ない


「オレ出かけるねー」


今1番聞きたくない声が部屋に響く

(誰も口を開いていなかったから)


「了解」


「「いってらっしゃーい」」


コウタと双子に見送られカイトは寮を出た


「………なんだよ」


コウタ、ソラ、リクの視線が俺に向けられている


「いや、カイトと喧嘩してたんだなと思って…」


「僕リョウとケンカしたと思ってた」


コウタとリクが驚いたように言う


「イロイロな」


「カイトは意地が悪いからねー」


わかるわかる、というようにソラが頷く


「まあ機嫌が悪かった理由がわかって良かったよ」


「だな」


コウタと双子が三人で頷き納得してる


「腹減った」


これはもちろん俺の声


「レイは人一倍食べるからねー」


「一食抜いただけで倒れそう」


「食欲ハンパないな」


「それでこそレイだー」


三人が口々に褒め言葉を言う

まあ、あれが褒め言葉なのかはわからないが




「おはよぉ…」