「リョウの部屋はここでいいよな」
つか、俺リョウの部屋入るの初めてじゃね…?
2年間一度も入ってねぇ!
いつもはリョウが俺の部屋くるからな…
ちょっと好奇心が湧いてきた
「お邪魔しまーす…」
戸を開けると
「うおぇ!?」
いきなり壁!?
「あ、カーテン…?」
男にとってあんまり馴染みがないな…
戸を開けたらカーテンって
つかカーテンなのか?
いやでも俺にはカーテンと認識する以外できない
だからカーテンでいいんだ
「ベッドって何処だ?」
とりあえず中に入る
「うっわ」
オンナノコーって感じ…なのか?
まあ女子の部屋なんて入ったことないが…
ぬいぐるみが多い
猫、うさぎ、犬、熊、イルカ
でもそれ以外はあんまし女子っぽくない?
カーテンは無地の黄緑
ベッドのシーツも無地の黄緑
カーペットも…
「コイツは黄緑が好きなのか…?」
とりあえずベッドに運ぼう
「んー…」
「……っ!?」
ビックリした…
起きたかと思った
ゆっくり…ゆっくり…
ベッドに下ろす
「レイ」
「―――っ!!」
大声を出しそうになってなんとか止める
寿命が2、3年縮んだ
振り返ると…
「ヤッホー、レイ」
めちゃくちゃ笑顔のカイトが立っていた
「お前は毎回毎回…性格悪いな…」
「酷いなー、オレはただ面白そうだから来ただけだよ」
「それが性格悪いって言ってんだよ」
「あはははは」
「ったく」
笑い事じゃねぇんだよ
「リョウ疲れちゃったみたいだね」
「そうだな」
とりあえずベッドに寝かせて布団をかける
「レイが早退したあとすっごく心配してたよ」
「ああ…」
「あと、すっごく落ち込んでた」
「っ…!?」
俺が怒鳴ったときのリョウの顔が浮かぶ
泣きそうな辛そうな
落ち込んだ顔
「分かってる」
カイトの顔を見ないようにリョウの部屋を出た

