「ごめん、遅れた」


リョウがカイトと一緒に帰ってきた


ああ、これから俺は説教決定かなー


「コウタ、なんか事件とかあった?」


「いや、特になかったと思うが」


「そっか、ならよかった」


……あれ?

何も…ない?



「ねえねえ」

「リョウー」

「レイには」

「何も」

「「ないのー?」」


相変わらずの双子がリョウに聞く



「それは…その……っ…」


俯いて言葉を詰まらせるリョウは久しぶりだ


「レイにはさっきお仕置きしたからいいんだよ」


カイトがリョウの変わりに答える


…なんか…ムカつく

俺の知らないうちにリョウとカイトの間になんかあったみたいだ

ふいにリョウに視線を向けると


「ありがと」

「どういたしまして」


カイトと笑い合ってた

なんて言ったかはよく聞こえなかったけど…

多分嬉しがってる



それがなんかモヤモヤして

意味もわからずイライラして

どうしようもなく胸が痛くて





「わけわかんね…」




俺の呟きは誰にも聞こえることはなかった