また、やっちゃった…

こんなんだから強暴だとか言われるんだ

おれが悪いのは分かってる

でもレイも悪い

だけど珍しくレイが謝った



なんでこういう時だけ謝るんだよ



全部おれが悪いみたいじゃん

今日は…今回は…って結局できない

手を出しちゃうんだ

高校3年生にもなってガサツが抜けない

強暴と言われ続ける

可愛い女の子には…なれない



「リョウ」


「っ…!」


カイトが屈んで顔を覗き込んできた


「泣きそうな顔してる」


気を使ってくれてか声をひそめてくれている


「別に…泣いてない…」


「泣いてるなんて言ってない。泣きそうって言っただけ」


「意地悪…」


「まあね」


だけど優しい

それが辛い


「話、聞くけど?」


「……レイに聞かれたくない」


「なるほど。了解」


ぽんぽんと頭を撫でてくれた



泣きそうになるから…撫でないでよ…



「コウタ、レイ連れて生徒会室戻って。レイ、リョウも悪いと思ってるから許してやって」


さりげなくおれのことまでフォローして…

どうしてカイトはそんなにおれに優しいの…?


「了解。今度は責任持って連れてく」


「よろしく」


レイは…まだ怒ってる…よね…


「リョウ」


「…っ!!」


すぐ後ろでレイの声がする

いっきに背中に神経が集中した

どうしよう…背中が熱い


「本当にごめんな。俺、バカだから傷付けた。俺、怒ってねぇから」


どうして…

どうしておれが喜ぶ言葉を言ってくれるの?

どうして…こんなに涙が溢れるの…?



「レイ。じゃあオレ、リョウと話するからもう行って」


「あぁ、よろしくな」


「偉そうに」


「ははっ、じゃあな」


パタパタとはしって去っていった

おれとカイト以外にも誰も居なくなったようで周りが静かになった