「……」


「え、ちょ、まっ、待て!!待ってください!!ほんとに!ごめん!ごめんなさい!!だから!お願いだからその握りしめた拳をおろして!」


「うん。今からレイ目がけておろすから安心して?」


「何も安心できねぇよ!!」


「あぁ?」


「ちょ、助けろ!リョウ止めてくれ!」


見えてるはずだがコウタはおろかカイトすら止めようとはしない

巻き込まれたくないのかドSなのか


「助けてくださいカイト様って言ったら助けてやるよ」


カイトはドSのほうだったようだ


「え、うっそ、マジかよ。って、ちょ、リョウ、マジ怖ぇから!!」


「笑顔でレイに殴りかかろうとしているリョウっていいね」


「うわぁー!!助けて!助けてくださいカイト様ー!!」


もう軽く半泣きのレイ

さすがに助けないとヤバい

と思ったのかカイトが割って入ってきた


「はいリョウ、ストーップ」


後ろからはがいじめにして頬を左右に引っ張られる


「いひゃいいひゃい!はいほ、いひゃい!(痛い痛い!カイト、痛い!)」


「正気、戻った?」


「もろったもろった!(戻った戻った!)」


「暴れるなよ?」


こくこくと首を縦に大きく振った


「よし」


「ふぅ」


解放されて頬をさすりながら小さくなってうずくまる


「ごめん」


レイが自分から謝った

珍しいこともあるもんだ、とカイトが言う

やめておけ、とコウタがカイトを止める


「むぅ…。もう気にしてないから…いい!」


少し拗ねているように言ってしまったのは仕方がない