なんとか上がり、顔を上げると真ん前に〈生徒会室〉とプレートのかかった部屋が…


「あれ、他に扉がない」


まさか四階は生徒会室のみ…とか?
なんて王道チック!!!

とりあえず渡さないと手が痛い…


コンコン

「はい、母さん?」

「あ、美琴です」

「…え、美琴さん!?」


直ぐにバタバタと音が聞こえ、ガラッと勢い良く扉が開いた。


「…こんばんは、総司郎君」

「!!!
ちょ、こっち来て下さい!」

「わっ」

「総司ー?」

「お前等は続けてろ!」


バタバタと腕を引かれ、扉からは陰になる場所に連れていかれた。
あ、荷物を置いてきてしまった。


「どっ、どうして美琴さんがここに?」

「菜々子お姉様に用事が入りましたので、代理として参上しました」


笑顔で答えると総司郎君は顔を反らしてしまった。
うーん、迷惑だったかも知れませんね…