「それ、返してください」 「待て、まだ俺読み終わってないから」 「いいからさっさと返してください」 こんな男に私の小説なんて読ませるものか。 ただでさえ、危険な状況に陥っていると言うのに。 「取ってみ?」 そんなふうに、原稿を高く上げる。 ……身長が人より低いからって馬鹿にして! 「かーえーしーてーくーだーさーいー!!」 と、大声で何度も言う。 こいつの前では、絶っ対に跳ねたりなんかしないんだから! 「奈神が慌ててる。超レア」 そう言って、意地悪く笑い。 カシャ。