引き止められて、渡されたのは。 『JICA○○ 渡辺元樹』 と書かれた名刺。 「携帯の番号を書いたから、そっちに連絡して。 遅くなったけど、君の高校と看護学校の合格祝いをしたいからさ」 「ホントですか!?」 「うん。……許してもらえるのなら」 許す? 何を許すんだろう? あたし、何か渡辺先生からされたっけ? まあいいや。 せっかくまた会えたんだもの! 「それじゃあ、今夜電話します」 「待ってる」 あたしは大きく首を縦に振って、ナースステーションへ向かった。