それを定時巡廻している警察官たちが順次取り締まっていた。


　坂野たちは風聞で聞いていたのだが、かなり派手に暴れているらしい。


　これを解決するのは所轄の刑事課強行犯係のデカだけじゃ、到底無理だ。


　本庁の刑事たちを引っ張り込んでパトロールさせることも当然必要なのだった。


　栗川のように本庁でもキャリアのデカは何事も頭で考え、捜査手法を決めてから捜査を続けている。


　そんなものは画餅(がべい)で、何ら意味のないことが分かっていなくて。


　これだから本庁の人間たちは困る。


　想定通りにホシが動くことなど、あるわけがないのだし。


　坂野たちはずっと黙り込んでいた。


　別件でもいいから関係者を引っ張れば話は早いのに――、と思いながらも……。


　捜査会議は午後四時過ぎに終わり、坂野たちは今後、署で待機ということになった。


　前島実業が長年政権与党と癒着し、村川グループを使って不正に得た資金を由自党に上納していたのは、警察関係者だったら知らない人間はいない。