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　本庁の人間たちが勝手に乗り込んできた新宿中央署の刑事課強行犯係とは別フロアにある暴力犯係の刑事たちに坂野たちが要請し、一連の事件に関わった疑いが濃厚と思われる前島実業のフロント企業、村川グループを当分の間、見張ることが決まった。


　捜査会議の直前に、坂野と岩永が極秘で要請したのである。


　ヤクザを取り締まるにはマル暴が欠かせない。


　おそらく近々、違法ドラッグや銃器類が詰め込まれた荷物が日本へと逆輸入されてくるだろう。


　その場に村川グループの人間が立ち会う可能性は濃厚だった。


　今回発生した薬物と銃器のマネーロンダリングは、村川寛之が仕組んだものと見て間違いない。


　寛之の妻、優子もシャブ中らしい。


　坂野たちはマル暴ではないものの、事実関係は一通り知っていた。


　極道の世界では女でもクスリに手を出したり、銃を使ったりすることを。
　

　想像もつかないのだが、これが現実だ。