「由自党だろう。あの党も氷代やモチ代が激減して、議員たちが困ってるだろうから」


 岩永も警察官である以上、事件捜査の際に使うための一定量の政治の知識などはあった。


 坂野がしばらくパソコンを睨んでいる。


 捜査会議はもうすぐ開かれる旨、西谷が伝えてきた。


 坂野と岩永がデスクから立ち上がり、西谷と共に捜査会議室に向けて歩き出す。


 足取りは重たかった。
 

 これから先、本庁のデカたちと接触するのが躊躇われて。


 特に本庁では切れ者で有名な警視正の栗川を相手するとなると、疲れることは十分考えられた。


 だが、行かざるを得ない。


 デカにとって事件の全貌が明らかになるのは、大方捜査会議室で、だからだ


 坂野たちは捜査に必要な書類等を一式持ち、会議室へと向かう。


 ヤマはまだ動かない。