<身辺には十分気を付けるように>という旨文面で伝える。


 送信し終わると、パソコンを閉じ、ベッドに持たれ込んだ。


 テーブルの上には松本清張のサスペンス小説が数冊積んであった。


 おそらく岩永が書店から買って、差し入れしたのだろう。


 坂野は退院日まで清張のミステリーを読み、暇を潰すことにした。


 まだフリーになるまでに、かなりの時間があるので。