これさえ終われば、一定の証拠は得たことになる。


 だが前島社長の自殺は大きかった。


 まさか逮捕されるのが怖くて、自分で命を絶ってしまうなど、想像もつかない事態だ。


 そして河相たちの捜索は無事終了する。


 差し押さえた証拠品は全て、検察庁に戻ったら、調べるつもりでいた。


 これが実に相当時間の掛かる作業なのである。


 何せ相手は巨悪だ。


 押収した物証は実に多いのだし……。


 この作業段階で不正が見つかれば、亡き前島社長と、法人としての前島実業を訴追(そつい)できる。


 検察による捜査は最終段階まで来ていた。


 河相たちは数日間、睡眠時間一時間程度で資料の解析に追われる。


 そして検事の一人があるものを見つけた。