「それは承知の上です」


 坂野が一礼した。


 栗川が手元で開いていたパソコンを使って、本庁の上層部の人間にメールを打ち始める。


 事の詳細を告げ、捜査員の追加投入を要請する旨、伝えるつもりのようだ。


 坂野はそれを察しながら安堵していた。


 自分たちばかりがいたずらに動かされるわけじゃないと分かったのだし。