ちっぽけな幸せを君に

 「……なんで?」


 突然の声に俺が顔を上げると薺がそこに立っていた。


 「薺?」


 「何でよ!!こんなにあなたを愛してるのに!」


 薺はバックから何かを取り出しながら叫ぶ様に言う。


 「何で流歌さんなの!?せっかく病気の検査の事教えて引き離したのに――歌菜ちゃんにも流歌さんの事を言って引き離したのに……なんで私じゃないのよ!!」


 薺はゆっくりと歩きながら体の前に両手を揃える。