「じゃあ大丈夫か。そういえば、今度はククルカンの皇太子殿下がいらっしゃるんだって? 何で?」
鏡越しに桂枝に問いかける朱夏に首を傾げ、桂枝は香油を髪に振りかける。
「視察だということですけど。皇帝陛下のお気に入りのこの国を、見ておきたいといったところではないですか? 折良く、妹宮もいらっしゃることですし」
ただの視察なのに、なんでナスル姫は、皇太子の機嫌が悪いとわかるのだろう。
「最近何だか慌ただしいね。皇太子殿下がいらっしゃるとなれば、それなりの出迎えはしないといけないだろうし。後から皇太子が来るんだったら、ナスル姫が気を利かせてこっそり来た意味が、ないじゃんね」
「そうですわねぇ。皇太子殿下は、確か二十をいくつか過ぎていたはず。立派な大人ですし、お立場上、軽々しく動けないのは、わかってらっしゃると思うのですけど」
何かあったのかと、少し不安そうに言う桂枝に、朱夏は明るく笑いかけた。
「やだ、そんな心配することないわよ。ナスル姫も、皇太子殿下は、あちらの都合でいらっしゃるから、別にこっちが何かしたっていうことは、全くないって仰ってくださったもの」
大丈夫大丈夫、と肩を叩く朱夏に、そうですわね、と微笑み返し、桂枝は部屋を片付けて、さがっていった。
鏡越しに桂枝に問いかける朱夏に首を傾げ、桂枝は香油を髪に振りかける。
「視察だということですけど。皇帝陛下のお気に入りのこの国を、見ておきたいといったところではないですか? 折良く、妹宮もいらっしゃることですし」
ただの視察なのに、なんでナスル姫は、皇太子の機嫌が悪いとわかるのだろう。
「最近何だか慌ただしいね。皇太子殿下がいらっしゃるとなれば、それなりの出迎えはしないといけないだろうし。後から皇太子が来るんだったら、ナスル姫が気を利かせてこっそり来た意味が、ないじゃんね」
「そうですわねぇ。皇太子殿下は、確か二十をいくつか過ぎていたはず。立派な大人ですし、お立場上、軽々しく動けないのは、わかってらっしゃると思うのですけど」
何かあったのかと、少し不安そうに言う桂枝に、朱夏は明るく笑いかけた。
「やだ、そんな心配することないわよ。ナスル姫も、皇太子殿下は、あちらの都合でいらっしゃるから、別にこっちが何かしたっていうことは、全くないって仰ってくださったもの」
大丈夫大丈夫、と肩を叩く朱夏に、そうですわね、と微笑み返し、桂枝は部屋を片付けて、さがっていった。


