楽園の炎

「メイズ妃って、嫉妬深い人だったのかしらね。でも・・・・・・わからないでもないわ」

朱夏は夕星の腕に、自分の腕を絡ませた。

「あたしも、ユウが他に側室を迎えたら・・・・・・」

ぎゅっと夕星の腕にしがみつく。

「嫌がらせなんか、する元気もなくなるような気がする。・・・・・・ああ、あたし、何でユウに関することになったら、こんなに弱くなるんだろう」

考えただけで落ち込んでしまう。
嫌な気分を振り払うように、朱夏はぶんぶんと頭を振った。

「心配性だなぁ。それとも俺って、そんな浮気者に見えるのかな。どちらかというと、女は苦手なんだけどな」

困ったように言う夕星は、腕にしがみつく朱夏を一旦離すと、抱き寄せるように肩を抱いた。

「それにさ、朱夏は正妃なんだから、俺を殺す権利があるんだぜ?」

そう言って、朱夏の首にかかる守り刀をつつく。

「俺が他の女に行こうとしたら、殺していいぜ。そう誓ったろ」

「・・・・・・そんな、あたしがユウを殺すなんて・・・・・・」

アルには夕星が浮気したら、この小さな守り刀でも頚脈を断ち切ってやるとは言ったものの、実際そんなことなど、できるわけがない。
それほど、朱夏にとって夕星は全てなのだ。