楽園の炎

「ん・・・・・・」

両手を夕星の背に回し、だが今までと違って衣越しでないことに、やはり照れが生じてしまう。
意味もなく両手を彷徨わせる朱夏に、夕星は、ひょいと身体を離して笑いかけた。

「照れ屋だねぇ。毎晩そんなことじゃ、疲れ果てるぜ?」

「まっ毎晩?」

赤い顔のまま目を剥く朱夏に、夕星は、にやりと笑って、ぐい、と顔を近づけた。

「当たり前だろ。今まで我慢してたんだぜ? やっと俺のものになったってのに、そうそう自制できるかよ」

身体に毛布を巻き付けて、真っ赤になっている朱夏に、再びにっと笑うと、夕星は脱ぎ捨てていた自分の夜着を取り、素早く羽織った。

そして、ぱんぱんと手を叩く。
その音に扉が開き、セドナが顔を出した。

「おはようございます。意外にお早いお呼びでしたわね」

扉の前で頭を下げつつ、セドナは、にやりと笑う。

「朱夏がこの通り、照れて手に負えないもんでね」

ちょんちょんと朱夏の頭をつつきながら言い、夕星は立ち上がると扉に向かった。
朱夏が、慌てたように顔を上げる。

「ふふ、そのように不安そうな顔なさらなくても、夕星様は、もう夫なのですから、生活の拠点はこの宮ですわよ」

セドナが言いながら、夕星と入れ替わりに入ってきたアルから着替えを受け取った。