楽園の炎

「しゅ、朱夏! どうしたんだ。落ち着いてくれよ」

一瞬の躊躇いの後、夕星は朱夏の両手首を掴み、寝台に押し倒した。

「・・・・・・朱夏・・・・・・」

「~~~っ」

裸のまま押し倒され、朱夏は恥ずかしさでいっぱいになったが、上から見下ろす夕星の目を見た途端、さっと冷静さを取り戻した。

夕星が、先程暴れる朱夏を押さえるのを躊躇ったのは、朱夏が、アリンダとのことを思い出してしまったのだと思ったのだ。
傷ついたような、だが心配そうな漆黒の瞳に、朱夏はそれを悟った。

「そうじゃないよ! あのね、あの・・・・・・あたしはただ、その・・・・・・まだやっぱりね、恥ずかしいの」

誤解を解くため、朱夏は夕星に押さえつけられたまま、必死で言った。

「恥ずかしい?」

言った後、夕星は視線を朱夏の身体に落とす。

「そ、それが恥ずかしいのっ! もう、見ないでよっ」

両手を押さえつけられているため、隠すこともできない。
朱夏は真っ赤になりながら、少し身を捩った。

「いいじゃん。もう全部見たぜ?」

かあぁぁぁっと傍目にもわかるほど、朱夏の身体全体が朱に染まる。
あまりに朱夏が恥ずかしがるので、さすがに可哀相になったのか、夕星は少し表情を和らげると、優しく朱夏に口付けた。

そのまま、朱夏の両手を掴んでいた手を離し、彼女の身体を抱きしめる。
ダイレクトに伝わる夕星の体温に、朱夏はまた気が遠くなる。