楽園の炎

「・・・・・・ユウ、格好良いね」

言った途端、いきなり夕星は僅かにつんのめり、危うく朱夏は投げ出されそうになった。

「な、何だよ、いきなり」

珍しく、夕星が赤くなっている。

「ユウでも照れるんだね」

ちょっと意地悪そうに言ってやると、夕星は拗ねたように視線を逸らした。
そして、ぽつりと呟く。

「朱夏がそういうこと言うの、初めてじゃないか」

「え、そう? え~・・・・・・結構あたし的には恥ずかしいこと、口走ってるわよ?」

過去にいろいろ勢い余って口走ってしまったことを思い出し、朱夏は首を傾げた。
だが夕星は、そうじゃなくて、と相変わらず前を向いたまま言う。

「しみじみとそういうことは、言ったことないだろ。いっつも勢いづかないと言わないじゃないか」

言われてみればそうかも、と、朱夏は再びまじまじと夕星を見つめる。

「今は二人だからかな。ていうか、こんな格好良い人が、あたしの夫になるんだなぁって。・・・・・・夫だって。わお」

腕の中で、一人えへへ、と笑う朱夏に、夕星は笑みをこぼした。
そして、朱夏を抱く腕に力を入れる。

「それ、俺も同じこと思ってるぜ。言っただろ? 惚れ直すって」

えへへ、と朱夏は夕星に笑いかける。
さっきはとんでもなく恥ずかしかったが、やはり二人だと単純に嬉しい。

朱夏はぎゅっと、夕星に抱きついた。