楽園の炎

「セドナ様、お迎えが着いたようですわ」

一人の侍女が、扉から走ってきた。

「では朱夏姫様」

セドナが朱夏を促したとき、扉が開いて夕星が入ってきた。

「朱夏、用意はいいか?」

言いながら、夕星は朱夏の姿に目を見開いて立ち止まった。
あまりに夕星が驚いているので、朱夏はもじもじと視線を彷徨わせてしまう。

慣れない格好の上、入ってきた夕星も、見事に礼服を着こなしている。
随分一緒にいるのに、何度見惚れるのだろう。

「・・・・・・綺麗だねぇ。惚れ直すわぁ」

しげしげと朱夏を眺めながら、夕星は心底感心したように言う。
あんまり真面目に言うため、朱夏は顔から火が出そうになるばかりか、いたたまれなくなる。
照れすぎて、文句も出てこない。

「そりゃもう、アルが毎晩夕星様のために、朱夏姫様のお身体を磨き上げてきましたし、わたくしも腕によりをかけて飾り立てましたもの」

セドナが胸を張る。
そして侍女たちを促し、全員が跪いた。

「夕星様、朱夏姫様、この度は、誠におめでとうございます」

「あ、ありがとう」

我に返り、朱夏はぎこちなく平伏する侍女らに笑いかけた。