「ほら、桂枝も。さっさと乗らないと、置いてくわよ」
なおも渋る桂枝をぐいぐいと押し、無事に輿に乗せると、桂枝が不安そうに朱夏を見下ろした。
「あの、朱夏様は・・・・・・?」
「ああ、大丈夫。あたしは、ここがあるから」
桂枝を炎駒の横に押しやり、朱夏は、たたた、と夕星に近づくと、そのまま横にいる彼の馬に、ぽんと飛び乗った。
すぐにその後ろに、夕星が飛び乗る。
すっぽりと朱夏を抱きかかえると、夕星は、ざっと隊を見渡した。
「出立!」
夕星の号令に、隊が動き出す。
「雨の季節ですから、船旅ももうちょっと難航するかと思っておりましたが。思ったより荒れませんでした」
炎駒が、輿の横にぴたりとついた夕星に言った。
そして、空を見上げる。
「今もどんよりとしてはおりますが、あまり空気も湿っておりませんな。そろそろ大祭の季節ですか」
「そうですね。雨の季節は、あと少しで明けましょう。もう雨も、そう降りますまい。神殿でも、本格的に大祭の準備に入りました」
ああ、そういえば、と、夕星は炎駒に笑顔を見せた。
「アルファルド王はご息災ですか? 葵王殿も、体調も崩さず、毎日元気にしておられる。兄上の仕事も、すぐに把握して、よく手伝っておりますよ」
なおも渋る桂枝をぐいぐいと押し、無事に輿に乗せると、桂枝が不安そうに朱夏を見下ろした。
「あの、朱夏様は・・・・・・?」
「ああ、大丈夫。あたしは、ここがあるから」
桂枝を炎駒の横に押しやり、朱夏は、たたた、と夕星に近づくと、そのまま横にいる彼の馬に、ぽんと飛び乗った。
すぐにその後ろに、夕星が飛び乗る。
すっぽりと朱夏を抱きかかえると、夕星は、ざっと隊を見渡した。
「出立!」
夕星の号令に、隊が動き出す。
「雨の季節ですから、船旅ももうちょっと難航するかと思っておりましたが。思ったより荒れませんでした」
炎駒が、輿の横にぴたりとついた夕星に言った。
そして、空を見上げる。
「今もどんよりとしてはおりますが、あまり空気も湿っておりませんな。そろそろ大祭の季節ですか」
「そうですね。雨の季節は、あと少しで明けましょう。もう雨も、そう降りますまい。神殿でも、本格的に大祭の準備に入りました」
ああ、そういえば、と、夕星は炎駒に笑顔を見せた。
「アルファルド王はご息災ですか? 葵王殿も、体調も崩さず、毎日元気にしておられる。兄上の仕事も、すぐに把握して、よく手伝っておりますよ」


