「朱夏は輿には、乗らないというか、乗れないのかな。俺もそうだけど」
「ユウも、輿に乗ることなんてあるの?」
「ないよ。本来は輿を使うようなときでも、馬だね、俺は」
そうこうしているうちに、眼前に港が見えてきた。
朱夏が、ぐいっと身を乗り出す。
「お。あれだな。ほら、向こうのほうに。見える?」
夕星が、水平線のほうを指す。
いろいろな船に混じって、一際大きな船が二隻、海上を滑ってくる。
炎駒の一行が乗っているのだ。
「ネイト! 第一隊を率いて先行しろ」
「はっ!」
夕星の指示に、ネイトは、つい、と離れると、素早く何人かをまとめて馬に鞭を当てた。
「ああ~、あたしも早く行きたいのに~」
馬の首にもたれるように、朱夏は前のめりになって、ネイトを見送った。
そんな朱夏を後ろから抱き寄せ、夕星はもう一度眼を細めて船を見る。
「早く行ったって、まだまだ遠いんだから、港でじりじりするだけだぜ。船が着いた頃に、俺らも着くようにしてるから」
「うん・・・・・・」
背後の夕星にもたれ、朱夏はじっと、沖に見える船を見つめた。
「ユウも、輿に乗ることなんてあるの?」
「ないよ。本来は輿を使うようなときでも、馬だね、俺は」
そうこうしているうちに、眼前に港が見えてきた。
朱夏が、ぐいっと身を乗り出す。
「お。あれだな。ほら、向こうのほうに。見える?」
夕星が、水平線のほうを指す。
いろいろな船に混じって、一際大きな船が二隻、海上を滑ってくる。
炎駒の一行が乗っているのだ。
「ネイト! 第一隊を率いて先行しろ」
「はっ!」
夕星の指示に、ネイトは、つい、と離れると、素早く何人かをまとめて馬に鞭を当てた。
「ああ~、あたしも早く行きたいのに~」
馬の首にもたれるように、朱夏は前のめりになって、ネイトを見送った。
そんな朱夏を後ろから抱き寄せ、夕星はもう一度眼を細めて船を見る。
「早く行ったって、まだまだ遠いんだから、港でじりじりするだけだぜ。船が着いた頃に、俺らも着くようにしてるから」
「うん・・・・・・」
背後の夕星にもたれ、朱夏はじっと、沖に見える船を見つめた。


