楽園の炎

「こうやってると、天地がわからなくなるな」

並んで寝転び、空を眺めていたユウが、星を掴むように手を突き出して呟いた。

「そういえばさ、アルファルドって、星の名前だな。星座の中の、心臓に当たる部分の星だよ。どの星かは、わからないけど」

「そうなんだ。何となく昔、葵にそういうこと、聞いた覚えがあるけど。そういうお話、退屈で。途中で寝ちゃったんだ」

星に翳したユウの手を眺めながら言う朱夏に、ユウは笑った。

「そういうロマンチックな話の途中で寝られちゃあ、なかなかプロポーズなんて、できないなぁ。葵王も、気長に待ってたわけか」

朱夏はぼんやりと、星を見上げた。
ユウの言うとおり、まるで星の海に漂っているようだ。

「ユウはさ、ククルカンの一行と一緒に来たの?」

「まぁね。ずっと一緒だったわけではないけど」

「じゃあさ、お姫様に会った?」

朱夏の言葉に、ユウは少し黙った。
暗いし、朱夏も星を見上げたままなので、表情まではわからない。

「第二皇女か。まぁ・・・・・・知ってるよ」

「ナスル姫が、アルファルドに来た理由も?」

再びの沈黙。
隣でユウが、身じろぎした。