「夕星様。わたくしは此度のことは、朱夏姫様と同じ女子として許せません。これまでも似たような愚行を犯してきたあの者ですが、都度『皇子』という身分を笠に、何ら罰せられることなく来てしまいました。ですが、今度という今度は、れっきとした皇家の許嫁として迎えた姫君への暴行です。しかも、お式もまだの、無垢な姫君を汚そうなどという、人として許されない行為です。幸いにして朱夏姫様がお強かったお陰で、大事に至らなくて済んだようですが、これを機に、彼(か)の者の力を徹底的に取り去るべきです」
きっぱりと、皇后が夕星に向かって言った。
夕星も、深く頷く。
「義母(はは)上のお心、よくわかります。俺だって、奴をこのままにしておく気はありません」
膝の上で握りしめた拳が、夕星の気持ちを如実に表している。
それを黙って見ていた皇太子が、皇帝に視線を転じた。
「・・・・・・父上、私も、この機に奴を何とかしておいたほうが良いと思います。書記官や老司祭も、同意見でした」
皇太子の言う二人の重臣は、かつて娘をアリンダによって犯されている。
そこまでされていなくても、何らかの被害に遭った娘は、重臣たちの娘のほとんどといっていいぐらいだ。
今回のことで、重臣らの不満が爆発したのだろう。
ここぞとばかりにアリンダの処罰を求めているようだ。
「そうだな。確かに、今までの処罰を一気に片付けるチャンスか・・・・・・」
思案しながらも、皇帝は呟いた。
アリンダは確かに血を分けた息子だが、情だけで罪を見逃していたら、後々のためにならない。
人の上に立つ者だからこそ、非情にならねばならないこともあるのだ。
「今回は、見逃すことはせぬ。重臣たちと相談の上、相応の処罰を下そう」
重々しく言い、皇帝は席を立った。
きっぱりと、皇后が夕星に向かって言った。
夕星も、深く頷く。
「義母(はは)上のお心、よくわかります。俺だって、奴をこのままにしておく気はありません」
膝の上で握りしめた拳が、夕星の気持ちを如実に表している。
それを黙って見ていた皇太子が、皇帝に視線を転じた。
「・・・・・・父上、私も、この機に奴を何とかしておいたほうが良いと思います。書記官や老司祭も、同意見でした」
皇太子の言う二人の重臣は、かつて娘をアリンダによって犯されている。
そこまでされていなくても、何らかの被害に遭った娘は、重臣たちの娘のほとんどといっていいぐらいだ。
今回のことで、重臣らの不満が爆発したのだろう。
ここぞとばかりにアリンダの処罰を求めているようだ。
「そうだな。確かに、今までの処罰を一気に片付けるチャンスか・・・・・・」
思案しながらも、皇帝は呟いた。
アリンダは確かに血を分けた息子だが、情だけで罪を見逃していたら、後々のためにならない。
人の上に立つ者だからこそ、非情にならねばならないこともあるのだ。
「今回は、見逃すことはせぬ。重臣たちと相談の上、相応の処罰を下そう」
重々しく言い、皇帝は席を立った。


