楽園の炎

「朱夏姫の様子はどうだ?」

「・・・・・・ま、普通・・・・・・でしたよ。身体は見てませんが、頬や手首に、傷がありました。元々塞ぎ込むような性質じゃないんでしょう、近衛隊らと、身体を動かしているうちに、元気になりますよ」

朱夏は実際、あれからはよく近衛隊に混じって稽古に精を出している。
じっとしているより、動き回っているほうが好きなのだし、近衛隊の中のほうが、何かと安心できるのだろう。

セドナなどは、まだ傷も治っていないので相変わらず心配しているが、夕星は朱夏のしたいことをさせてやりたい。
レダたちと一緒に近衛隊と稽古に励むのは、悪いことではないと思うのだ。

「近衛隊の奴らの中にいるほうが、部屋に籠もっているより安心ですよ。元気に剣を振るってくれるほうが、俺も有り難い」

「気晴らしがあるのが、一番ではありますけど。まだお傷も治っておられないのでしょう? 近衛隊の稽古などに参加して、大丈夫なんですか?」

皇后は、セドナと同じようなことを心配するようだ。

「大丈夫ですよ。朱夏がやりたいと言っているんだし。無理はしないよう言ってますがね。あいつにとって、身体を動かすのが一番の気晴らしでしょう。俺も、擦り傷ぐらいで嫌いになんてなりませんよ」

カップを傾けながら笑う夕星に、皇后は安心したように微笑む。
そこに、皇太子が入ってきた。