楽園の炎

「朱夏様、おはようございます・・・・・・ぅううう??」

翌朝、起こしに来たアルは、寝台に眠る朱夏を見て、思わずのけ反った。
すやすやと気持ちよさそうに眠る朱夏は、すっぽりと夕星の腕の中にいたのだ。

アルは茫然としたものの、すぐにわたわたと背後を見た。
この状況は、セドナに見られても大丈夫だろうか。

「ああ・・・・・・朝か」

物憂げに目を開け、夕星がアルを見る。

「ゆ、夕星様。あの、あの、わたくしは構いませんが、セドナ様が・・・・・・」

きょろきょろと夕星と扉のほうを交互に見ながら、アルはどうしたものかと思考を巡らす。
そうこうしているうちに、扉が軽く叩かれた。

「アル、朱夏姫様はお目覚めなの? 入りますよ」

セドナの声に、ひいぃぃっとアルは飛び上がる。
夕星は、まだ寝ぼけているのか、扉を見たまま、ぼんやりしている。

「朱夏姫様、おはようございま・・・・・・」

笑顔で入ってきたセドナの顔が、寝台を見た途端、氷結する。
そのまま、アルにとっては永遠とも思える沈黙が落ちた。

「・・・・・・あれぇ? もう朝なの?」

眠そうな目を擦りながら、ようやく眠りから覚めた朱夏が沈黙を破った。

「・・・・・・どうしたの?」

ぽや、とした表情で、青い顔に汗を流しながら寝台の横に立ち尽くすアルを見上げた朱夏は、起き上がろうとして、己の上に乗っている夕星の腕に気づいた。

「・・・・・・・・・・・・あ」

「おはよう、朱夏」

にこ、と笑い、素早く起き上がって、夕星は朱夏に軽く口付けた。
その途端、やっと時間が動き出したように、セドナの雷が落ちた。

「夕星様ぁっ!! な、何してらっしゃるんですかぁぁっ!」