楽園の炎

「切れてるな。痛かったろ?」

「あ、う、うん。思いっきり殴られたから。でも、練習中にも剣が当たったりするし・・・・・・て、ひゃっ」

甘やかな雰囲気に、どきどきしつつも何とか言葉を紡いでいた朱夏に顔を近づけると、夕星は朱夏の頬に唇をつけた。
そのまま、軽く口の端の傷を舐める。

「・・・・・・ユ、ユウ・・・・・・」

一旦唇は離れたが、またすぐに、今度は唇を塞がれる。

「~~っん・・・・・・」

夕星に口付けされるのは久しぶりだ。
朱夏は夕星の背に手を回した。

「朱夏?」

不思議そうに、夕星が顔を離して朱夏を覗き込んだ。
どちらかというと、いつも朱夏は、されるがままだ。
夕星が口付けしても、今のように自分から抱きついてくることはない。

「どうした? 珍しいな」

夕星の首筋に顔を埋める朱夏の髪を撫でながら言うと、朱夏がぽつりと呟いた。

「・・・・・・やっぱり、全然違う」

好きな相手だと、こうも全てが違うものか。

今更ながら、朱夏はアリンダに無理矢理口付けされたときに、舌に噛み付いてやれば良かったと後悔した。