楽園の炎

「アリンダ皇子は、どうなるのかな」

頬杖をついて、朱夏は己の手首をちらりと見た。

皇后が怒っているというのは聞いたが、果たして本当に皇子の位を剥奪するなどということが可能なのだろうか。
可能だとしても、そこまでするだろうか。

---そりゃあ、許せないけど・・・・・・---

皇帝陛下からしたら、アリンダ皇子も間違いなく己の子供なのだ。

「どうだろうな。ただ、今までの積み重ねってやつもあるし。重臣たちの中には、己の娘があいつに犯された人も、いるみたいだぜ。今回のことで、アリンダ皇子は最後の地雷を踏んだかもな」

「・・・・・・凄いことするよね。ユウを苦しめるためなら、ほんとに手段は問わない感じだった。あの後あたしが死んでも、それはそれでいいって言ってたわ」

「破滅的だよなぁ」

保身というものは、アリンダの頭にはないようだ。
そう考えると、気の毒にも思える。

ぼんやりしていると、向こうから兵士が何人か、鍋を抱えてやってきた。

「やぁ朱夏姫様。この度は、災難でしたな。全く、近衛隊がついていながら、誠に申し訳ない」

どん、と良い匂いの立ち上る鍋を置いて言うのは、近衛隊長補佐官のネイトである。