暗い回廊には、見たところ、警備の者はいない。
いくら見つかってもいいように細工しているとはいえ、完璧ではないし、言ってしまえばこのような夜中に、侍女がうろうろしているのも、おかしいのだ。
誰にも会わずに済むに、越したことはない。
慎重に回廊を進みながら、朱夏は何度も振り返った。
後からついてくるユウの気配が、全くしないのだ。
しかし、振り返ればユウはちゃんとそこにいるし、好奇心丸出しできょろきょろしている様子からは、緊張しているとか、警戒しているといった感じは受けられない。
---ユウは、何者なんだろう---
ふと朱夏の心に、疑問が浮かんだ。
ただの商人が、気配を消す必要など、あるはずがない。
兵士などでも、これほど巧みに気配を消せる者など、そういないものだ。
だが朱夏の視線に気づくと、ユウは無邪気ににこりと微笑む。
その笑みは、凄腕の刺客などには、全く見えないのだ。
何より、ユウを疑いたくない自分がいる。
朱夏はそっと、ユウの唇が触れた胸の傷に、手を触れた。
相変わらず首には、短剣が下がっている。
夜が明けたら憂杏に、これにぴったりな鞘を作ってもらおうと思いながら、朱夏は先を急いだ。
いくら見つかってもいいように細工しているとはいえ、完璧ではないし、言ってしまえばこのような夜中に、侍女がうろうろしているのも、おかしいのだ。
誰にも会わずに済むに、越したことはない。
慎重に回廊を進みながら、朱夏は何度も振り返った。
後からついてくるユウの気配が、全くしないのだ。
しかし、振り返ればユウはちゃんとそこにいるし、好奇心丸出しできょろきょろしている様子からは、緊張しているとか、警戒しているといった感じは受けられない。
---ユウは、何者なんだろう---
ふと朱夏の心に、疑問が浮かんだ。
ただの商人が、気配を消す必要など、あるはずがない。
兵士などでも、これほど巧みに気配を消せる者など、そういないものだ。
だが朱夏の視線に気づくと、ユウは無邪気ににこりと微笑む。
その笑みは、凄腕の刺客などには、全く見えないのだ。
何より、ユウを疑いたくない自分がいる。
朱夏はそっと、ユウの唇が触れた胸の傷に、手を触れた。
相変わらず首には、短剣が下がっている。
夜が明けたら憂杏に、これにぴったりな鞘を作ってもらおうと思いながら、朱夏は先を急いだ。


