しばし、ラーダと夕星の間で睨み合いが続く。
が、すぐに夕星のほうが、根負けしたように息をついた。
「くそ、ガードが堅くなってしまったな。ていうか、何で俺まで警戒されるんだ。警護が堅いのは有り難いことだが、俺は朱夏の婚約者だぞ。部屋を訪れるぐらい、いいだろう」
「もちろん、お部屋を訪れることは構いませんよ。しかし、夜はご自分のお部屋でお眠りなされ。移動中は警護も甘くなりがちですし、朱夏姫様も不安でしょうから黙認しておりましたが、城に入ってしまえば、正式に妃となられる姫君のお部屋になど、わざわざ忍んで行く必要はありませぬ。お式が済めば、堂々と同じお部屋に住めるのですから」
うぐぐ、と口をつぐむ夕星に、勝ち誇ったように鼻で笑うと、ラーダは朱夏に微笑みかけた。
「朱夏姫様には不安かもしれませぬが、セドナ様はじめ、レダなども常時詰めます故、何かありましたら遠慮無く彼女らを頼ればよろしいのですよ」
「ええ。ありがとうございます」
すっかり機嫌の悪くなった夕星にはらはらしながら、朱夏はラーダにぺこりと頭を下げる。
憂杏が、くくく、と肩を震わせた。
「葵王様にも、侍女をお付けしましょうね。王太子様ですから、それなりの位の侍女を、とりあえずは十人程選抜しております。後で紹介しますわね」
ラーダに言われて、葵は何のことかわからず、束の間きょとんとした。
そして一瞬後に、驚いた顔になる。
「えええ? 十人も、ですか?」
狼狽える葵に、ラーダのほうが首を傾げる。
「少ないぐらいかと思いますが? 慣れぬ地で、いろいろ不便もありましょうから、どうぞ、遠慮無く何でも侍女にお申し付けください。追って、追加していきますので」
が、すぐに夕星のほうが、根負けしたように息をついた。
「くそ、ガードが堅くなってしまったな。ていうか、何で俺まで警戒されるんだ。警護が堅いのは有り難いことだが、俺は朱夏の婚約者だぞ。部屋を訪れるぐらい、いいだろう」
「もちろん、お部屋を訪れることは構いませんよ。しかし、夜はご自分のお部屋でお眠りなされ。移動中は警護も甘くなりがちですし、朱夏姫様も不安でしょうから黙認しておりましたが、城に入ってしまえば、正式に妃となられる姫君のお部屋になど、わざわざ忍んで行く必要はありませぬ。お式が済めば、堂々と同じお部屋に住めるのですから」
うぐぐ、と口をつぐむ夕星に、勝ち誇ったように鼻で笑うと、ラーダは朱夏に微笑みかけた。
「朱夏姫様には不安かもしれませぬが、セドナ様はじめ、レダなども常時詰めます故、何かありましたら遠慮無く彼女らを頼ればよろしいのですよ」
「ええ。ありがとうございます」
すっかり機嫌の悪くなった夕星にはらはらしながら、朱夏はラーダにぺこりと頭を下げる。
憂杏が、くくく、と肩を震わせた。
「葵王様にも、侍女をお付けしましょうね。王太子様ですから、それなりの位の侍女を、とりあえずは十人程選抜しております。後で紹介しますわね」
ラーダに言われて、葵は何のことかわからず、束の間きょとんとした。
そして一瞬後に、驚いた顔になる。
「えええ? 十人も、ですか?」
狼狽える葵に、ラーダのほうが首を傾げる。
「少ないぐらいかと思いますが? 慣れぬ地で、いろいろ不便もありましょうから、どうぞ、遠慮無く何でも侍女にお申し付けください。追って、追加していきますので」


