楽園の炎

「・・・・・・何なんですか、皆。俺の選ぶ姫が人形なわけはないとか、単なる小娘ではないとか。そりゃあそうですけど、どんだけ凶暴な姫君を好むと思われてるんですかね、俺は」

「凶暴って何よ」

じろりと睨むと、夕星は、にこ、と笑って、朱夏の頭をわしわし撫でた。

「まぁ、アリンダの態度を見ても、わかっただろ。凶暴なほうが、俺も安心だぜ。もちろん、俺の前では思いきり甘えてくれても構わないけどな」

にこにこと言う夕星に怒る気も失せ、赤くなる。
そんな二人を満足そうに見つめ、皇帝は朱夏の胸元に下がる守り刀に目をやった。

「・・・・・・面白いことを、したものだな。ふむ、そうやっていれば、常に身につけていられる。よくぴったりな鞘が見つかったものだな」

「ほんに。そうやっていると、守り刀が宝石だということに、改めて気づかされますわ」

皇后も、感心したように言う。

「あ、これは、あの憂杏が作ってくれたんです。あたしはこれが宝石でできてるなんて知らなかったんですけど、綺麗だから、しまっておくのはもったいないって」

説明しながら、ふと朱夏は、あることに気づいた。

昔葵にもらったスタールビーの首飾りは、大事にしまって滅多に身につけなかった。
綺麗だから、傷でもついたら勿体ないと思ったからなのだが、この守り刀については、綺麗だから、身につけていたいと思ったのだ。

---初めから、あたしもユウに何か感じてたのかしら。これは、ずっと身につけていたいって思ったな---