楽園の炎

「そうなのですか。お綺麗ですわ。ではそのリンズに合うよう、御髪を結い上げて。宝石は、どれにしましょうかね」

リンズと一緒にアルが持ってきた宝石箱を、セドナは朱夏の前に置いて、蓋を開ける。
そして、中に入っていた黒真珠の簪に気づくや、まぁ、と感嘆の声を上げた。

「何と素晴らしい。珍しいですわね。アルファルドでは、このように立派な黒真珠が手に入るのですか?」

「あ、いえ。これはこちらに来る途中に立ち寄ったコアトル知事のところで、宮廷出入り商人が、お祝いにってくれたんです」

「このように素晴らしいものを、お祝いの品に。ははぁ、東方の、竜(ロン)のキャラバンでは?」

「知ってるんですか?」

髪を梳くセドナに、鏡越しに聞いてみる。
そういえば、ククルカンの城にも出入りしているようだった。

「ええ。昔からの、出入り商人ですよ。物も良いので、贔屓にされております」

「確かに、珍しいものばかりでした。アルファルドの市でも、見たことのないものばかりで」

「東方の物は、珍しいですからね。では折角ですから、宝石はこれにしましょう。あら、お揃いで耳飾りもありますね。では・・・・・・髪の毛全てを上げるよりも、お耳を出す程度に横髪を上げて・・・・・・」

軽く髪をまとめ、耳に黒真珠の耳飾りをつける。
そして、朱夏の胸元に視線を落とした。

「首飾りが、ちょっと寂しいですわね・・・・・・」