楽園の炎

「あら、意外に朱夏姫様は、寂しがりなんですのね」

「ナスル様のようですわ。ナスル様も、いつもセドナ様やラーダ様に、くっついておりましたもの」

「そういえば、朱夏姫様は遠い国からお一人でいらしたのですから、そりゃあお心細くありましょう」

口々に言ってから、皆は姿勢を正し、セドナの少し後ろに、ざっと並んだ。

「我々は、皇帝陛下より直々に選ばれた、朱夏姫様のお世話役でございます。どうぞ、お見知りおきを」

二十人はいようかという侍女が、揃ってその場に膝を付く。
ぽかんとしている朱夏に、セドナが歩み寄りつつ補足する。

「早い話が、ナスル様付きだった者が、そのまま朱夏姫様付きになるということですわ。アリンダ様のこともありますので、皇帝陛下も特に朱夏姫様の身辺に関しては、気を揉んでいらっしゃいました。ナスル様付きということは、そういう事情に詳しく、且つそれなりに対処もできるということです。筆頭はわたくしとラーダ、あとはこの者たちで、朱夏姫様にお仕えします。夕星様の近衛隊からも、何名か常についておりますので、ご安心を」

きびきびと言い、頭を下げるセドナは、さすがにただの侍女とは違う迫力がある。
朱夏も、思わず頭を下げて挨拶した。

「何から何まで、ありがとうございます。これからお世話になります。あ、これはアルファルドからの、わたくしの侍女で、アルシャウカットといいます。アルともども、仲良くしてくださいね」

「朱夏様付き、アルシャウカットと申します」

おそらく部屋にいる間に自己紹介ぐらいはしているだろうが、朱夏に倣い、アルもぺこりと挨拶した。