思えば皇太子は、いつもちゃんとした格好をしているし、初めて見たときから相当な威厳を感じたものだが、ユウに関してはどうだろう。
商人の格好をしていても、ふとした瞬間に驚くほどの威厳を放つことはあったが、普段はそんな感じない。
---ユウに関しては、慣れちゃってるのかもしれないな---
そんなことを考えているうちに、大回廊から横道に逸れ、それでも立派な回廊を渡って、一つの扉の前に着いた。
立派な一枚板の扉の両脇には、道中見かけた近衛隊のうち、二人が控えている。
二人の兵士は恭しく頭を下げると、扉を開いた。
広く明るい室内が、朱夏の前に広がる。
「さ、ではどうぞ。ここが、朱夏姫様のお部屋でございます」
セドナに促されて室内に入ると、中にはさらに数人の侍女が平伏して迎えてくれる。
その侍女らの一番奥に、アルの姿を見つけ、朱夏は、どっと身体中から力が抜けるのを感じた。
「ア、アルぅ~。どこに行ってたのよぅ」
アルに駆け寄り、泣き言を言う朱夏に、セドナはちょっと苦笑いした。
「お着きになるなり、湯殿に攫われましたものねぇ。朱夏姫様のお付き侍女さんには、よく知ったかたのほうが良かろうと、先にお部屋の用意をしていただいておりましたの」
「荷解きなどもありますし、あまりに知らない人ばかりでは、こちらの侍女たちも困りましょうし、朱夏様も困るでしょう? レダもおりましたし、そんなに寂しがらなくても」
セドナとアルの言葉に、朱夏はぽりぽりと頭を掻いた。
侍女に泣きつくなど、高官の姫君の行動としては、相応しくなかったかも、と反省する。
だがセドナ初め、ククルカンの侍女らは、特に朱夏の行動に驚くことなく笑った。
商人の格好をしていても、ふとした瞬間に驚くほどの威厳を放つことはあったが、普段はそんな感じない。
---ユウに関しては、慣れちゃってるのかもしれないな---
そんなことを考えているうちに、大回廊から横道に逸れ、それでも立派な回廊を渡って、一つの扉の前に着いた。
立派な一枚板の扉の両脇には、道中見かけた近衛隊のうち、二人が控えている。
二人の兵士は恭しく頭を下げると、扉を開いた。
広く明るい室内が、朱夏の前に広がる。
「さ、ではどうぞ。ここが、朱夏姫様のお部屋でございます」
セドナに促されて室内に入ると、中にはさらに数人の侍女が平伏して迎えてくれる。
その侍女らの一番奥に、アルの姿を見つけ、朱夏は、どっと身体中から力が抜けるのを感じた。
「ア、アルぅ~。どこに行ってたのよぅ」
アルに駆け寄り、泣き言を言う朱夏に、セドナはちょっと苦笑いした。
「お着きになるなり、湯殿に攫われましたものねぇ。朱夏姫様のお付き侍女さんには、よく知ったかたのほうが良かろうと、先にお部屋の用意をしていただいておりましたの」
「荷解きなどもありますし、あまりに知らない人ばかりでは、こちらの侍女たちも困りましょうし、朱夏様も困るでしょう? レダもおりましたし、そんなに寂しがらなくても」
セドナとアルの言葉に、朱夏はぽりぽりと頭を掻いた。
侍女に泣きつくなど、高官の姫君の行動としては、相応しくなかったかも、と反省する。
だがセドナ初め、ククルカンの侍女らは、特に朱夏の行動に驚くことなく笑った。


