楽園の炎

「さすが。やっぱり大帝国のお城となると、全てにおいて素晴らしいわ」

思わず口に出してしまった感想に、セドナが振り向く。
そして、簡単に説明してくれた。

「この廊下は単なる通路ですが、もう少し行くと・・・・・・あの辺りからですわね、城の最深部に入ります。あそこの廊下は大回廊ですから、また素晴らしいレリーフなどがありますわよ。朱夏姫様のお部屋は、さし当たっては皇族のお部屋の並びになりますが、皇帝陛下や皇妃様のご配慮もありまして、少し奥のほうになります」

セドナの話を聞きながら歩くうちに、その大回廊に入った。

「・・・・・・うわあぁ~。凄い・・・・・・」

おそらく城の中心部なのだろう。
頭の上は吹き抜けで、レリーフとクリスタルガラスが、外の光を広い回廊に降り注いでいる。

「わ! 屋内に、噴水がある!」

回廊の中心には、大きな噴水が綺麗な水を噴き上げていた。
無邪気に辺りを見渡しながら、ふらふらと歩く朱夏に、セドナは、ほほほ、と笑い声を上げる。

「まぁまぁ姫様。きちんと道順を覚えておいてくださいよ。ま、お一人で動かれることは、本来ないはずなのですけど」

きらりとセドナの瞳が光る。
やはり夕星を育てただけのことはある。
お忍び歩き好きな人間のことは、感覚でわかるようだ。

「うう・・・・・・。お、仰るとおりです。とりあえずは、地の利もありませんし、大人しくしておこうと思っておりますよ」