城の前まで来ると、途端にわらわらっと出てきた侍女らに取り囲まれる。
何が何だかわからず、おたおたしているうちに、瞬く間に朱夏は、年かさの侍女の命令で、大勢の侍女によって城の中へと連れ去られた。
あっという間に夕星から引き離されたが、レダなど見知った侍女が一緒にいてくれたお陰で、必要以上に怯えなくても済んだのだ。
おろおろしている朱夏を、怒濤の如く湯殿に突っ込むと、侍女らは寄って集って朱夏の身体を磨き上げる。
旅の汚れを落としてしまうと、ようやく湯の中で、朱夏は一息つくことができた。
水面に顔がつきそうなほど項垂れてぐったりしていると、一番年かさの侍女が声をかけた。
「ご挨拶が遅れまして、誠に申し訳ございません。わたくしは夕星皇子・ナスル姫様の乳母を務めさせていただいておりました、セドナと申します」
そう言って、その場に平伏する。
セドナに倣い、その場にいた侍女全員も、少し下がったところで平伏している。
兵士にしてもそうだが、侍女もやはり教育が行き届いている感じだ。
朱夏は湯の中で向き直り、少し考えた。
夕星の言いつけもあるが、何より今は、入浴中なのだ。
「アルファルド王、一の側近・炎駒が娘、朱夏と申します。よろしくお願いします」
湯船に浸かったまま、朱夏は平伏する侍女らに頭を下げた。
最前列にいるセドナが、顔を上げた。
「一の側近であられる炎駒様の娘御であられましたか。アルファルド王の側近の有能さは、我が国までも聞こえております。なるほど、さすがは夕星様」
別に父を介して会ったわけではないので、『さすが』と言われることは何一つないと思うのだが、セドナは自分が育てた皇子の選んだ相手がそれなりの姫だったことに、いたく満足そうだ。
何が何だかわからず、おたおたしているうちに、瞬く間に朱夏は、年かさの侍女の命令で、大勢の侍女によって城の中へと連れ去られた。
あっという間に夕星から引き離されたが、レダなど見知った侍女が一緒にいてくれたお陰で、必要以上に怯えなくても済んだのだ。
おろおろしている朱夏を、怒濤の如く湯殿に突っ込むと、侍女らは寄って集って朱夏の身体を磨き上げる。
旅の汚れを落としてしまうと、ようやく湯の中で、朱夏は一息つくことができた。
水面に顔がつきそうなほど項垂れてぐったりしていると、一番年かさの侍女が声をかけた。
「ご挨拶が遅れまして、誠に申し訳ございません。わたくしは夕星皇子・ナスル姫様の乳母を務めさせていただいておりました、セドナと申します」
そう言って、その場に平伏する。
セドナに倣い、その場にいた侍女全員も、少し下がったところで平伏している。
兵士にしてもそうだが、侍女もやはり教育が行き届いている感じだ。
朱夏は湯の中で向き直り、少し考えた。
夕星の言いつけもあるが、何より今は、入浴中なのだ。
「アルファルド王、一の側近・炎駒が娘、朱夏と申します。よろしくお願いします」
湯船に浸かったまま、朱夏は平伏する侍女らに頭を下げた。
最前列にいるセドナが、顔を上げた。
「一の側近であられる炎駒様の娘御であられましたか。アルファルド王の側近の有能さは、我が国までも聞こえております。なるほど、さすがは夕星様」
別に父を介して会ったわけではないので、『さすが』と言われることは何一つないと思うのだが、セドナは自分が育てた皇子の選んだ相手がそれなりの姫だったことに、いたく満足そうだ。


