「おおーっ! この姫君が、夕星様の選んだかたか」
「活発そうな姫君ではないか」
「なかなかお可愛らしい。そのわりに、お人形ではないと見た」
「それはそうだろう。夕星様が選ぶ女性が、お人形なわけあるかい」
夕星を押し潰さんばかりに、いまだ輿から出られないでいる朱夏を覗き込む。
兵士には違いないのだが、どうも今まで一緒にいた者らとは違う。
よくよく見れば、格好はむしろ、今までの兵士よりも良い。
皇太子の傍に常に控える、アシェン率いる一隊と同じような衣装だ。
が、それにしては、やけに夕星と親しげだ。
今も兵士らは、遠慮無く夕星を押し潰している。
「・・・・・・お、お前らぁ・・・・・・」
その押し潰されていた夕星が、下から低い声を響かせる。
すると兵士らは、ぱっと彼から離れ、皆が一斉に拳を左胸に当て、頭を下げた。
「お帰りなさいませ。此度のご帰還、我ら首を長くしてお待ちしておりました」
先程までの騒ぎは夢だったのかと思うほど、完璧な挨拶だ。
全員がびしっと揃っている姿は、よく訓練された兵士のもの。
それも、並の兵士ではない。
「・・・・・・ったく。お前らが来るとは、計算外だった」
立ち上がり、乱れた髪を掻き上げながら、夕星は朱夏の手を取った。
「これは、心外なお言葉。夕星様がお帰りになられるのならば、夕星様直属の我らがお迎えするのが道理でしょう」
「ふん。大方俺が、花嫁を連れ帰ると聞いたから、こんなところまで出張ってきたんだろう」
鼻を鳴らす夕星に、皆が、わはは、と誤魔化すように笑う。
どうやらこの隊は、夕星が率いているという、近衛隊のようだ。
首都からの迎えに来たらしい。
「活発そうな姫君ではないか」
「なかなかお可愛らしい。そのわりに、お人形ではないと見た」
「それはそうだろう。夕星様が選ぶ女性が、お人形なわけあるかい」
夕星を押し潰さんばかりに、いまだ輿から出られないでいる朱夏を覗き込む。
兵士には違いないのだが、どうも今まで一緒にいた者らとは違う。
よくよく見れば、格好はむしろ、今までの兵士よりも良い。
皇太子の傍に常に控える、アシェン率いる一隊と同じような衣装だ。
が、それにしては、やけに夕星と親しげだ。
今も兵士らは、遠慮無く夕星を押し潰している。
「・・・・・・お、お前らぁ・・・・・・」
その押し潰されていた夕星が、下から低い声を響かせる。
すると兵士らは、ぱっと彼から離れ、皆が一斉に拳を左胸に当て、頭を下げた。
「お帰りなさいませ。此度のご帰還、我ら首を長くしてお待ちしておりました」
先程までの騒ぎは夢だったのかと思うほど、完璧な挨拶だ。
全員がびしっと揃っている姿は、よく訓練された兵士のもの。
それも、並の兵士ではない。
「・・・・・・ったく。お前らが来るとは、計算外だった」
立ち上がり、乱れた髪を掻き上げながら、夕星は朱夏の手を取った。
「これは、心外なお言葉。夕星様がお帰りになられるのならば、夕星様直属の我らがお迎えするのが道理でしょう」
「ふん。大方俺が、花嫁を連れ帰ると聞いたから、こんなところまで出張ってきたんだろう」
鼻を鳴らす夕星に、皆が、わはは、と誤魔化すように笑う。
どうやらこの隊は、夕星が率いているという、近衛隊のようだ。
首都からの迎えに来たらしい。


