楽園の炎

憂杏が見かねて、笑いながらアシェンの腕を取った。

「さ、とりあえず、落ち着いたなら安静にしておくのが一番だ」

アシェンを支え、船室に戻っていく。
アルもとりあえず後に続き、三人でアシェンの船室に入った。

「じゃ、あとはアルに頼んでいいか?」

アシェンを寝台に寝かせて憂杏が言うと、途端にアシェンが飛び起きようとした。
が、憂杏に押さえつけられてしまう。

「いいから、寝ておいてください」

「し、しかし・・・・・・」

女性の前で、と言いたいのだろう。
憂杏は、軽く首を振った。

その間に、アルは何かぱたぱたと走り回り、アシェンの寝台の傍に、小さな香炉を用意した。
懐から出した小さな袋から、乾燥した薬草を少し、香炉の皿に落とす。

「この薬草の匂いは、気分を和らげますわ。気分の悪さも、抑えられるはずです。焚いておきますね。もしお気に召さないようでしたら、火を消してください」

そう言って、香炉に火を入れた。

「それではしばらく、ゆっくりと休んでください」

ぺこりと頭を下げ、アルは憂杏と共に出て行った。

アシェンはようやく身体の力を抜いて、ふぅ、とため息をつきつつ、目を閉じた。