「あれ、船酔い、知らない?」
「知ってるよ。なったことはないけど、酔うのはわかるわよ。そうじゃなくて、あのアシェン様が船酔い?」
信じられない、と言わんばかりに、朱夏は夕星に詰め寄った。
そんな朱夏に、夕星は、ちっちっと指を振ってみせる。
「朱夏。アシェンに、敬称はいらん」
「・・・・・・難しいわ」
ナスル姫にも言葉遣いを改めさせられ、アシェンに対しても改めなければならない。
「ま、誰に対しても丁寧に接するってのは、悪いことではないけどな」
頭を撫でられ、ちょっとほのぼのとした朱夏だったが、はた、と状況を思い出す。
「そ、そうだ。えっと、え、ア、アシェン様が倒れてるのね? だったらそうね、アル、お世話になったんだし、行って差し上げて」
慌ててアルに命じるが、皇太子が怪訝な表情で遮った。
「アルは、朱夏姫の侍女だろう? 何もそんな、わざわざアルに頼まなくても。もっと他にいるだろう?」
皇太子にとっては、唯一の朱夏付きのアルが、他の者の世話につくのは、朱夏にとって有り難くないことだろうと気を遣ってくれたのだろうが、そんなことはどうでもいいのだ。
朱夏も夕星も、いいからいいから、とアルを追い立てる。
「アルは薬草の知識もありますし、ここ数日、アシェン様にはお世話になっておりましたので」
「そうそう。慣れぬ女性の相手で、少々疲れていたのかもしれませんしね」
「知ってるよ。なったことはないけど、酔うのはわかるわよ。そうじゃなくて、あのアシェン様が船酔い?」
信じられない、と言わんばかりに、朱夏は夕星に詰め寄った。
そんな朱夏に、夕星は、ちっちっと指を振ってみせる。
「朱夏。アシェンに、敬称はいらん」
「・・・・・・難しいわ」
ナスル姫にも言葉遣いを改めさせられ、アシェンに対しても改めなければならない。
「ま、誰に対しても丁寧に接するってのは、悪いことではないけどな」
頭を撫でられ、ちょっとほのぼのとした朱夏だったが、はた、と状況を思い出す。
「そ、そうだ。えっと、え、ア、アシェン様が倒れてるのね? だったらそうね、アル、お世話になったんだし、行って差し上げて」
慌ててアルに命じるが、皇太子が怪訝な表情で遮った。
「アルは、朱夏姫の侍女だろう? 何もそんな、わざわざアルに頼まなくても。もっと他にいるだろう?」
皇太子にとっては、唯一の朱夏付きのアルが、他の者の世話につくのは、朱夏にとって有り難くないことだろうと気を遣ってくれたのだろうが、そんなことはどうでもいいのだ。
朱夏も夕星も、いいからいいから、とアルを追い立てる。
「アルは薬草の知識もありますし、ここ数日、アシェン様にはお世話になっておりましたので」
「そうそう。慣れぬ女性の相手で、少々疲れていたのかもしれませんしね」


