「もう岸が見えないわ! 凄い! 砂漠みたいね」
「ほんとだ。外海はほんとに、周り全部が海だね! 砂漠では、日中はあんまり移動しなかったけど、船はそうはいかないよね。太陽が目印なのかな。あれ、でも曇ったらどうなるんだろう。雨とか、凌げないよね」
きゃいきゃいと興奮気味に言う朱夏と葵に、皇太子が笑いながら歩み寄った。
「そうか。葵王殿が乗ったときは、入り江を流しただけだったかな。外海は、波もそこそこ高い。気持ち悪くなるかもしれぬ」
「皇太子様。向こうのほうに、黒い雲が見えますが、天気が崩れるかもしれませんよね。太陽が隠れたら、方向がわからなくなるのでは? 雨が降ったら、この辺りは屋根もありませんし、大丈夫なんですか?」
葵の質問に、朱夏が不安そうな顔になる。
が、皇太子は、ははは、と笑って、少し後方を指差した。
「ほら、あそこの部屋が、操舵室だ。太陽や星も見るが、それらが見えなくても、あそこにある計器で、距離や方向がわかる。心配はいらぬよ。中に部屋があるから、雨に濡れる心配もない。まさか、このまま甲板で寝るとでも、思っていたのかね?」
言われてみれば、船に乗った全員が甲板にいるわけではない。
大体の者は、それぞれの部屋で配置についたり、休んだりしているのだろう。
だが、五隻の船に分乗しているとはいえ、あんなにいた兵士や侍女が入るだけの部屋が、一体どこにあるのだろう。
朱夏がきょろきょろしていると、皇太子が二人を促した。
「案内がてら、下に行って、お茶にしようか」
「ほんとだ。外海はほんとに、周り全部が海だね! 砂漠では、日中はあんまり移動しなかったけど、船はそうはいかないよね。太陽が目印なのかな。あれ、でも曇ったらどうなるんだろう。雨とか、凌げないよね」
きゃいきゃいと興奮気味に言う朱夏と葵に、皇太子が笑いながら歩み寄った。
「そうか。葵王殿が乗ったときは、入り江を流しただけだったかな。外海は、波もそこそこ高い。気持ち悪くなるかもしれぬ」
「皇太子様。向こうのほうに、黒い雲が見えますが、天気が崩れるかもしれませんよね。太陽が隠れたら、方向がわからなくなるのでは? 雨が降ったら、この辺りは屋根もありませんし、大丈夫なんですか?」
葵の質問に、朱夏が不安そうな顔になる。
が、皇太子は、ははは、と笑って、少し後方を指差した。
「ほら、あそこの部屋が、操舵室だ。太陽や星も見るが、それらが見えなくても、あそこにある計器で、距離や方向がわかる。心配はいらぬよ。中に部屋があるから、雨に濡れる心配もない。まさか、このまま甲板で寝るとでも、思っていたのかね?」
言われてみれば、船に乗った全員が甲板にいるわけではない。
大体の者は、それぞれの部屋で配置についたり、休んだりしているのだろう。
だが、五隻の船に分乗しているとはいえ、あんなにいた兵士や侍女が入るだけの部屋が、一体どこにあるのだろう。
朱夏がきょろきょろしていると、皇太子が二人を促した。
「案内がてら、下に行って、お茶にしようか」


